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思春期の思い出【バトルタンク編】

2025/09/30 [TUE.] By 小林 亮太
mv_battletank.jpg

株式会社ファースト 小林と申します。
2005年に、社長とファーストを創設しました。

社長とは22歳の頃からの付き合いなので、もう27年共に仕事をしている事になります。
仲間や身内で会社を立ち上げると、大抵うまくいかず分裂してしまう、というのは、会社設立のあるあるですが、なんとこのファースト、創業21年目に突入しています。

奇跡です。

いつも支えてくださっているみなさんに感謝申し上げます。

私のルーツ

ファーストはIT+デザイン系の会社なので、
やはり私も例外なくITが好きなわけです。
ITというか、パソコンを使って何かを作る事が好きなんだと思います。

今でもプログラムを書いたり、指導したりするわけですが、
私の知識の礎は、12歳~16歳の5年間にあります。

12歳というと・・・37年前笑
プログラミング歴37年というと、相当なもんですね。
言語や開発環境は、今ではすっかり変わっていますが、結局やっている事はあまり変わってないというのが、私の印象です。原点は大事です。
逆に今の若者が原点を知らずにプログラムが書けている事自体、ある意味すごいと感じます。

では、小林少年が当時作ったものを赤裸々に公開し、今の小林が、大人げなく辛口な突っ込みをいれていきたいと思います。

PCとの出会い

それは小学5年生の時でした。
学校の図書館で、ゴリラがパソコンでプログラムをする絵本を偶然見つけました。
ゴリラがPCに向かって、BASICを学ぶという、ぶっとんだ絵本でした。
ゴリラがなにやら入力し始めました。

「? 1+1」

次の行には、「2」と出てきます。

いたく感動しました。
なぜ?電卓と変わんねーやん!でもなぜか小林少年は感動したのです。
忘れてしまいましたが、きっと読み進めて行くと、この計算をFOR文を使って1~10までを足しこんだり、IF文を使ってもう少し複雑な計算もしていたのでしょう。
これで私は「パソコンが欲しい!」となったわけです。

幸い私は親戚が多く、お年玉で結構な額が貯まる派でした。
お年玉で手に入れた人生初のPC、それが、
「Panasonic MSX2 A1F」
でした。今でも価格を覚えています。54,800円
当時、MSXといえば記憶装置がなし、またはテープに録音が大半でしたが、このモデルは何と3.5インチの2DDフロッピーディスクが内臓されているという代物でした。

当時の情報収集源は、本しかありません。
色んな本を買い漁り、私はBASICでのプログラミングに没頭していきました。
目的は1つ。
自作のゲームを作りたい。ただその一心でした。

自作ゲーム【BATTLE TANK】

私はファミコン世代ですが、当時の友人が所持していた、ナムコのバトルシティーというゲームがとても面白く、友人宅に入り浸っていたのを覚えています。
1画面内で完結しているマップ上を、戦車を操作して障害物をよけながら、敵を倒していくアクションゲームです。
このゲームの影響をもろに受け、作ろうとしたゲームがこれです。
その名も「BATTLE TANK」
名前からもうパクってますね。CITYをTANKに変えただけの安直な命名です。
その時の設計書の一部が出てきましたので、掲載します。



まぁ、やりたい事はわかります笑
フローチャートらしきものがカオスです。
敵の思考ルーチンを組み込む技術がなく、2P専用にしたくせに、なぜか敵を表示しようとしています。やたら壁を気にしていて、肝心の戦車に対する当たり判定が完全に抜け落ちています。
行き場のない最後の下矢印が、途中で挫折した事を物語っています。

このゲーム、完成できなかったのですが、一体どこまで出来ていたのか、気になってきました。
という事で、当時のフロッピーディスクを必死で探しだし、
今は亡きフロッピーディスクドライブをPCに接続。
2DDディスクをイメージ化し、MSXエミュレーターで読み込んでみました。

動作確認


懐かしすぎます。涙でてきました。
当時MSXは単なるゲーム機だと揶揄されていましたが、私をはじめとしたMSX信者は、そんなこと微塵も思っていないはずです。



とりあえずイメージ化したディスクを差し込み、中身を確認。
35年前の記憶ですが、覚えているものです。体に染みついているのでしょう。
今回はバトルタンクを動かしたいので、それらしきものを探します。
TANK
TANK.BIN
おそらくこれらでしょう。
TANKはBASICのソースで、TANK.BINはグラフィック関係を詰め込んだバイナリファイルでしょう。
今のようにプログラムを無限に書けるわけではありません。
このMSX2は、プログラムは約23,000文字までしか書けないという制限があります。
変数の名前の文字数すらケチらないと、すぐに制限を迎えてしまいます。
なので、ソースはとっても見にくいです。
以下は、このバトルタンクのソースプログラムの一部です。


しょっぱなから詰め込んでますね笑
もはや何をしているのかさすがに覚えてないし、読めません。
VPEEK、VPOKE文が確認できるので、VRAMに何らかの値を入れているのでしょう。
そう、きっと、これは文字フォントをアレンジしています。

とにかく実行してみます。


なんともレガシーな・・・
スクリーンショットでは伝わらない動きや音もありましたので、後ほど動画を掲載しておきます。
PUSH SPACEとあるので、スペースキーを押してみます。


1プレイヤーの戦車を選ぶモードになったようです。
上下キーで戦車の種類を変えられました。
これが「TANK=」の意味でしょう。
「COLOR=」は色を変えられる?どのボタンで?
色々押してたらスペースキーで、色が次々に変わりました。
で、決定はどうするの?
まぁ、わかりません笑
優しくないインターフェイス、今では私が怒鳴り散らす案件です笑
でもいいんです。この時代は自分で調べろが当たり前でした。
めでたくEnterキーで戦車が戦場に向かっていきました。
同様の操作で2プレイヤーの戦車も選択して、っと。
いよいよ戦場が出てきます。


いや、バトルシティそのままやん笑
右のアイテムらしきリスト・・・何だろう
そして、右下にENEMYとあるのは何だろうか。
確かプレイヤーvsプレイヤーにしたはずでは・・・
上下左右で戦車が動き、スペースキーで弾が出て、レンガを壊す事ができました。
そして驚いた事に、最初に選んだ戦車の種類も色も完全に無視されてます笑
要約敵の戦車までたどり着き、スペースキーをポチっと。
予想通り、弾が戦車を通り抜けました。
小林少年、自分が作ったマップが出てきて、戦車が動いて、壁を壊せた時点で満足したのでしょう。美しいくらいの未完成ゲームに仕上がっていました。


まとめ

昔の軌跡を追うのはなかなか面白かったです。
自分で自分に突っ込んでしばらく楽しんでしまいました。

今回はバトルタンクを紹介しましたが、
まだまだネタが潜んでいるようです。

盤ゲームのモノポリーに感動して作ろうとしたゲーム「モノポリア」

ファイヤーエムブレムが好きすぎて作った「MEFIST」
三国志とコズミックウォーズをミクスチャーした「ファインティングユニバース」
ウィニングポストとダビスタを人間に置き換えた「ヒューマンサラブレッド」


ヒューマンサラブレッドについては、思想が危なすぎです。

また機会があれば、紹介していきたいと思います。

「好きこそ物の上手なれ」

IT系は特にその通りだな、と思います。
このベタすぎることわざで、締めくくりたいと思います。
ITを志す若者たち、応援しています。

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